研究テーマ

総説が公表されました

久々の更新となります。 この間,総説が3報公開されました。1)西山啓太,向井孝夫 Lactobacillus属やBifidobacterium属の宿主腸粘膜への付着性に関わるアドヘシンとその分子機構,日本乳酸菌学会誌,27,176-186(2016) (J-Stageにアップされたら掲載しま…

Nature系のオンラインジャーナルに論文が掲載されました

私たちの研究室では,乳酸菌やビフィズス菌のプロバイオティクス効果や生体内との相互作用の分子メカニズムを明らかにすることを研究課題としてます。また,最近では身近な食べ物が腸内細菌叢を介して健康に及ぼす効果を調べる研究も手掛けています。今回の…

論文が公開されました

西山君(2015年度博士課程を修了)を筆頭著者とする論文が「Molecular Microbiology」に公開されました。"Cell surface-associated aggregation-promoting factor from Lactobacillus gasseri SBT2055 facilitates host colonization and competitive exclusio…

論文ゼミを行いました。(3)

研究室の論文ゼミを行いました。第三回の担当は大学院1年の原くんでした。(p)ppGpp controls bacterial persistence by stochastic induction of toxin-antitoxin activity.Cell. 2013 Aug 29;154(5):1140-50.細菌を抗生物質に暴露した際、大部分の細菌は死…

論文ゼミを行いました。(2)

研究室の論文ゼミを行いました。第二回の担当は大学院1年の井上さんでした。Dietary emulsifiers impact themouse gutmicrobiota promoting colitis and metabolic syndrome.Nature. 2015 Mar 5;519(7541):92-6.食品添加物の一つである乳化剤は腸内細菌叢構…

論文ゼミを行いました

大学院1年の上野君による論文ゼミを行いました。AggLb Is the Largest Cell-Aggregation Factor from Lactobacillus paracasei Subsp. paracasei BGNJ1-64, Functions in Collagen Adhesion, and Pathogen Exclusion In Vitro. PLoS One. 2015 8;10(5):e0126…

  北里大学乳酸菌公開シンポジウムが開催されました。

金曜日から公務出張でブログも全くアップできませんでした。出張の理由の一つが、シンポジウムの開催でした。 これまで学内では私がリーダー役を務め、乳酸菌プロジェクトを展開してきました。 その中の一つの企画ですが、北里大学から情報発信することを目…

  ひすい色の卵

先日、私たちの研究室の卒業生の三村さんが訪ねてきてくれました。 三村さんは青森県産業技術センター畜産研究所に勤務しており、現在養鶏部門で研究しています。お土産として「あすなろ卵」をいただきました。 青森県の畜産研究所は歴史的に養鶏で大きな成…

  長く腸にとどまる乳酸菌の新しい機能

先週に引き続き出張中です。来週半ばには修士論文発表会が開催されますが、最終段階でのチェックができないのが心配の種です。 さて、出張中もヨーグルトは欠かさず食べています。今朝は、ガセリ菌SP株の入ったヨーグルトを食べました。以前のヨーグルトのパ…

  パンダの糞から・・・・・  (パンダ腸内細菌の話)

昨日の毎日新聞に、中国人研究者によるパンダが竹を食べて栄養素にできる証拠として腸内細菌が関与しているという記事が小さく掲載されていました。皆さんもご存じのように、パンダは竹や笹を餌にしています。竹や笹を主食とするパンダは肉食獣であるライオ…

  日曜日の新聞記事と新刊紹介

日曜日の朝日新聞の社説は「世界人口70億人到達」を取り上げていました。 1週間前の10月31日に世界の人口は70億人に到達したとのことを多くのメディアが取り上げていましたが、少子高齢化が進む日本にいると実感がわかない方も多いのではないかと思います。 …

  見逃した「世界一受けたい授業」

昨晩放送された「世界一受けたい授業」で腸内細菌と肥満の関係が取り上げられたようです。 私は、情報を持っていなかったうえ、所用のため時間がとれず、見逃してしまいました。 「ヤセない原因は腸にあった!?」となかなかインパクトのあるタイトルだった…

  微生物の魅力

今日は英語の輪読会が夕方あり、M2の西山君が担当しました。今回発表した論文は、Transport of preproteins by the accessory Sec system requires a specific domain adjacent to the signal peptide.(J Bacteriol. 2010 192(16) 4223–4232)です。 病原性…

卒論スタートアップゼミ

夏休みを目前に控え、4年生のゼミもそろそろ一回りします。今回は4年生の実験報告です。 テーマは、乳酸菌のムチンへの付着性とそのメカニズムを明らかにしようというものです。 哺乳動物にみられるムチンは粘膜の表面を覆う粘液を指し、粘膜の保護に重要な…

 腸の話 (研究テーマと言いつつ脱線気味の話)

このブログでもすでに紹介しましたが、私たちの研究室では、腸内乳酸菌のはたらきや腸内の病原細菌など、腸に棲みつく微生物の研究をしています。 特に最近、腸内環境が体の健康や寿命まで決める!などといったタイトルとのついた本が出版されるなど、とにか…

ゲノム、ゲノム解析、またゲノム? いやメタゲノム解析から見えてくること

先日、3年生の分子生物学でゲノム解析の講義をしました。 ゲノム解析とは何かといえば、塩基配列を解析することから始まり、どこにどのような遺伝子があるかなど、ゲノムの遺伝情報を総合的に解析することです。この解析には、コンピューターの力を借りるこ…

腸内細菌と長寿

昨日(6月12日)のNHKスペシャルで「サーチュイン遺伝子」を取り上げていました。サーチュイン遺伝子(sir2遺伝子)は2005年に米マサチューセッツ工科大のロナルド・ギャランテ教授によって発見されたもので、長寿遺伝子として注目されている遺伝子です。長…

研究紹介

私たちの研究室では、ヒトや動物の消化器管内にに棲息する微生物に焦点を絞り、感染に関与する細胞分子の解明あるいは生体分子や有用微生物を利用した感染予防法の開発を目指し研究を行っています。 具体的には腸内有用細菌として期待されている乳酸菌の腸内…