腸の話 (研究テーマと言いつつ脱線気味の話)

このブログでもすでに紹介しましたが、私たちの研究室では、腸内乳酸菌のはたらきや腸内の病原細菌など、腸に棲みつく微生物の研究をしています。


特に最近、腸内環境が体の健康や寿命まで決める!などといったタイトルとのついた本が出版されるなど、とにかく腸に注目が集まっています。


ところで、先日、テレビにもよく出ている天野祐吉氏の数年前のブログが目にとまり、そこに紹介されていた「からだことば辞典」(東郷吉男編)にちょっと興味がわき、購入してみました。


それなりの厚さの辞典で、体の一部を取り込んだ言葉が何と6000近くも掲載されていました。



なぜ興味がわいたかと言えば、勿論、「腸」を使った言葉がどのくらいあるか知りたかったということがあります。


「腸」は「ちょう」あるいは「はらわた」両方の読みですが、意外に少なく、14語しかありませんでした。


「腹」を使った言葉は数えるのがいやになるほど(10ページ近く)あったのと比べると、かなり少ないというか、自分で考えてみてもたしかに、それほど思いつきません。


すぐ思いつくのは、「断腸の思い」「腸(はらわた)が煮えくりかえる」「腸がちぎれる」等の言葉かと思います。


いずれの言葉も、かなりきつい、あるいは重い意味で用いられているような気がします。


「断腸の思い」は、中国の故事に由来しているということで、それなりに重い意味のある言葉です。


確かに「心が痛む」「胸が締め付けられる」「身を切る思い」というより、「断腸の思い」という言葉は重いような気がします。
(あくまで感覚ですが)


「腸」は脳の次に神経細胞が集中しており、いまや第二の脳として注目されていますが、言葉から考えても「腸」は、昔から重要な器官であるとの認識を持たれていたのだと思います。


(天野氏のブログの下のほうの話題は笑えない話しかもしれません。)