見逃した「世界一受けたい授業」

昨晩放送された「世界一受けたい授業」で腸内細菌と肥満の関係が取り上げられたようです。

私は、情報を持っていなかったうえ、所用のため時間がとれず、見逃してしまいました。


「ヤセない原因は腸にあった!?」となかなかインパクトのあるタイトルだったようですが、解説は理化学研究所の辨野義巳先生が行ったようですので、しっかりした内容だったのではないでしょうか。


腸内細菌には痩せ型と肥満型があることが報告されているので、その点が紹介されたのかと思います。(これまでの関連記事参照  腸内細菌と長寿



辨野先生は、数十年間、腸内細菌の研究に携われ、多くの研究成果を出されています。


私が辨野先生の名前を初めて知ったのは、大学院の学生だった頃(1980年代末)、辨野先生が出されたある論文です。


今でも時々、講義や講演会で引用させていただきますが、国内の長寿地域の老人と東京の老人の腸内細菌叢を調べ、腸内のビフィズス菌数や検出率の高さが長寿に関与しているといった内容でした。


メチニコフが提示した「不老長寿論」を実験データとして提示した重要な論文であると当時認識しました。


最近も、協同乳業や他の大学との共同研究で、ある特定のビフィズス菌を高齢マウスに投与することで、マウスの寿命が延びるといった興味深い実験データを提示しています


この要因として、ビフィズス菌が、大腸内でPrevotella という菌種を増加させることで、抗加齢効果のあるポリアミン濃度が大腸内で増加することを示しています。




乳酸菌と肥満との関連でいえば、昨年、今年と急激に論文数が増え、PubMed(文献データベース)で「乳酸菌」「肥満」のキーワードでちょっと調べると55個の論文が引っ掛かってきました。






そのうちの一つは、このブログでも以前触れましたので、参照してください。


「乳酸菌で痩せる」「乳酸菌で寿命を延ばす」時代も、やがて来るのではないでしょうか。




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