論文ゼミを行いました。(2)

研究室の論文ゼミを行いました。

第二回の担当は大学院1年の井上さんでした。

Dietary emulsifiers impact themouse gutmicrobiota
promoting colitis and metabolic syndrome.

Nature. 2015 Mar 5;519(7541):92-6.

食品添加物の一つである乳化剤は腸内細菌叢構成を変化させ、マウスにおける大腸炎症及びメタボリックシンドロームを促進させるという論文でした。

腸管に生息する腸内細菌は宿主と様々な相互作用を行うことで、宿主の健康に密接に関与しています。また、通常、腸内細菌は腸管上皮を覆う粘液層によって上皮細胞と適切な距離が保たれています。
本文献により、我々が日常的に摂取する食品添加物の一つである乳化剤は、粘液溶解作用や大腸炎症を促進し、宿主と腸内細菌の相互作用を阻害する可能性が示されました。

乳化剤摂取により慢性化した炎症は、メタボリックシンドロームの症状として表れます。
以上のことから、20世紀半ばからのメタボリックシンドロームの増加の一要因として乳化剤摂取が考えられるとのことでした。