日曜日の新聞記事と新刊紹介

日曜日の朝日新聞の社説は「世界人口70億人到達」を取り上げていました。






1週間前の10月31日に世界の人口は70億人に到達したとのことを多くのメディアが取り上げていましたが、少子高齢化が進む日本にいると実感がわかない方も多いのではないかと思います。

 私が学生のころは、50億人という数値が出ていたと記憶していましたが、この50年で40億人が増加したという数字をみると、あらためて急速に人口が増加していることを認識させられます。さらに今世紀半ばまでには、100億までいかずとも90億人を軽く超えることが予想されています。


 このような状況で、今日の社説では、先進国と発展途上国の格差、食糧問題、地球環境問題、ヒト以外の生物種の減少に関する問題など人口増に伴う問題を指摘していました。

 これらの問題は、指摘されるまでもなく、おおよそ理解はしているつもりですが、どのように解決していくべきか、となるとなかなか難しくなります。


 上で取り上げた一つ目の問題を除けば、私たち農学領域で研究する者、学ぶ者が取り組むべき課題は多そうです。たとえば、これまでも品種の改良などにより、食糧の増産に成功してきたように、農学は一定の役割を果たしてきた事実はあると思います。


 それでは、地球環境問題はどうでしょうか。
もちろん解決されてきた問題はいくつもありますが、それ以上に大きな問題が山積しています。地球環境問題は、食糧問題にも直結しますし、感染症の発生の増大や環境汚染物質等を介し、ヒトの健康にも大きな影響を及ぼすことは容易に推測されます。あらためて言及するまでもありませんが、地球環境問題は、今後50年確実に取り組まなければならない問題です。



 ところで地球環境問題とは何か、どのように解決すべきかということに関して、北里大学副学長である陽先生の示唆に富む著書が出版されました。



「この国の環境―時空を超えて」著者:陽 捷行【文】 ブルース・オズボーン【写真】(アサヒビール  1,680円 2011年10月25日 出版)








「環境とは人間そのものである」。それゆえ「環境問題を改善することは人間を改善することである」との視点に立ち、先人の智慧に学び、「温故革新」を図るべきという強い言葉が印象的でした。それに基づき、これまで環境問題に取り組んできた人々の情熱までにも及んで記載されています。また、我が国における環境変動の現状を数値、資料を適切に引用されて記載されています。


ところどころに挿入されているブルース・オズボーン氏の写真が、この本の価値を一層高めている印象を受けました。


 地球環境問題に対する私の意見は機会があれば記しますが、少なからず、私たちの生き方で変えるべき点があるという主張には同意しました。




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