今週のゼミ

今回の研究室ゼミで紹介された論文は、

細菌感染に対する腸管の防御に関わるペプチドHuman α-Difensin6に関するものでした。

"Human α-Defensin 6 Promotes Mucosal Innate Immunity Through Self-Assembled Peptide Nanonets"

Hiutung Chu et al.
Science 337, 477 (2012);
DOI: 10.1126/science.1218831


ヒトの腸には、免疫細胞の7割が存在するとも言われており、

免疫において非常に重要な役割を持っています。

中でも小腸の陰窩に存在するパネート細胞からは、

ディフェンシン(Difensin)と呼ばれるタンパク質が分泌され、

様々な細菌感染から宿主を守っています。

このディフェンシンは、主にHuman α-Difensin5 (HD5)とHuman α-Difensin6 (HD6)が存在し、

HD5は細菌の細胞膜に結合し抗菌活性を発揮することが知られていましたが、

HD6に関してはその役割はほとんど分かっていませんでした。


本論文では、HD6が蜘蛛の巣状のナノネットを形成し、

細菌を絡めとり、宿主への侵入を防ぐという極めてダイナミックな現象を発見したものでした。


"ナノネット"に関しては、こちらで画像がご覧頂けます。