研究室の歴史

 現在の細胞分子機能学研究室は、学部設立当初に設置された畜産環境学講座の流れを汲んでいます。畜産環境学講座は、学部設立後5年後の昭和46年に設置されました。当時は、畜産業に起因する悪臭や水質汚染が、生活環境に悪影響を及ぼしていることが頻繁に起こり、問題解決を図る必要性に迫られていました。この様な時代背景から、畜産環境学講座では畜産公害の防止対策の技術を確立することを目的として設置され、初代教授の池田三義先生と大田達郎先生で教育に当たられました。


 その後、昭和62年に着任された吉田実先生のもとでは、飼料の安全性確保、環境への薬剤汚染の防止の観点から、飼料添加物である合成抗菌剤の家畜(特にニワトリ)における体内動態に関わる研究が推進されました。

 現在教授の向井は、吉田先生の時代に着任し、HPLCによる合成抗菌剤の検出方法の開発、腸内微生物に対する影響など研究にかかわりを持ちました。特に、博士号を取得した大学院生の古澤直人氏(現 大阪市立大学生活科学部准教授 )が、研究の中心を担っていました。


 平成6年に大堀均先生が着任されてからは、微生物中心のテーマへと移行しました。特に大堀先生のご専門はウイルス学であり、ウシ下痢ウイルスに関する研究を推進されました。大堀先生は、専門教育だけでなく、人間的な教育も重視し、先生の薫陶を受けた多くの学生が現在活躍しています。研究室名は大堀教授の時代に畜産環境学講座から環境生物化学講座さらに生体分子機能学研究室へと改称されました。



       
 平成18年には、向井が研究室を任されることになり、平成19年に新学部(獣医学部)が設置された際に、細胞分子機能学研究室に改称され、現在に至っています。



真ん中が大堀元教授。学生からの人気も高かった先生です。